ベットに入って眠る前のひととき、こんな本はいかがでしょう…。
『世界を、こんなふうに見てごらん』
(集英社文庫)
日髙敏隆 著(動物行動学者)
「おまえ、こんなことしているの。
そうなの、こんなふうに生きているの。
・・(中略)・・
生きることへの深い共感は、
そうやって生まれてくる。
そうやって生まれてくる。
生きているとはどういうことか。
豊かな見方をするといいと思う。」
鮮やかなイラストの装丁と、語りかけるようなタイトルを見て、手に取ったこの本。
開いてみると、小さな命に向けられたこんなやさしいまえがきからはじまっていました。
開いてみると、小さな命に向けられたこんなやさしいまえがきからはじまっていました。
著者は京都大学名誉教授。
日本における動物行動学の草分けのような人物です。(2009年11月逝去)
なのに、難しい言葉は一つも出てきません。
平易な言葉で淡々とつづられるのは、著者の研究の根底に流れる、生きとし生けるものへのやさしいまなざし。
それは動物や昆虫、そして人間へも、一つの命として同等に向けられます。
この永遠の問いに対しても、著者の視点で捉えると「チョウはどうやって花を見つけるのか」と同じ。
つまり「その動物はなぜこのような行動をとるのか」ということなのです。
確かに、私たちが抱える地球上のさまざまな問題も、人種や民族を超えた「ヒト」という種が持つ特性の問題として捉えると、まったく別の見方ができるかもしれない。
私の頭をギュウギュウと縛っていた固定観念の縄が、ほろほろとほどけていく。そんな一冊でした。
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